今年、2024年。我が国の人口のうち5割以上が50歳以上という時代に突入!解決には特定技能しかない‼
はじめに…
「50-50」と聞いてドジャースの大谷翔平選手の偉業をイメージした方が大半ではないでしょうか?しかし残念ながらそのような明るい話題ではありません。この現象は我が国において深刻な少子高齢化人口減問題の通過点に過ぎません。これから更なる深刻な社会変化の起こる序章に過ぎないのです。
では、日本の人口のうち、50歳以上が50%を超えるという状況は、労働市場に多大な影響を及ぼすことが予想されます。以下にその影響について述べます。
昨年より「人手不足倒産」が話題となっていますが、この現象がとても大きな原因の一つとなっていることは言うまでもないでしょう。
1. 労働力の減少
高齢化が進むことで、労働力人口が減少することが懸念されます。若年層の人口が減少する一方で、定年退職を迎える人々が増加するため、労働市場における人手不足が深刻化する可能性があります。これにより、企業は労働力の確保に苦労し、生産性の低下や経済成長の鈍化が懸念されます。
現業職が多い若年層人材を確保に悩んでいた中小企業は更にその確保が困難となり、それは大企業へも波及していきます。
2. 高齢者の再雇用と労働環境の変化
高齢者の再雇用が進むことで、労働市場における高齢者の割合が増加します。これに伴い、企業は高齢者に適した労働環境の整備が求められます。例えば、柔軟な勤務時間やリモートワークの導入、健康管理のサポートなどが必要となるでしょう。また、高齢者のスキルアップや再教育の機会を提供することも重要です。
ただし現業職にはリモートワークはあり得ませんし、体力や運動能力が欠如や低下している方には不向き。若者が減ることは現場の人材不足に直結です。
3. 技術革新と自動化の進展
労働力不足を補うために、技術革新や自動化が進展することが期待されます。ロボットやAIの導入により、生産性の向上や労働力の効率的な活用が図られるでしょう。しかし、これにより一部の職種が消滅する可能性もあり、労働市場の構造が大きく変わることが予想されます。
しかし建設現場や生産ライン、福祉や介護現場等にロボットやAIを導入していけば…とはいっても、コストの問題は大きく、また実際に現場にフィットした機材を開発するにも技術的な問題も数多あります。現在様々なトライがされてはいますが、今すぐ全てを解決できるには到底至っていません。
また機材は労働力の省力化には貢献しますが、納税者や人口にはカウントされない存在ではないので次以降に挙げる問題の解決には一切寄与しません。
4. 若年層の負担増加
高齢者の割合が増えることで、若年層に対する負担が増加することが予想されます。年金や医療費の負担が増える一方で、労働力不足を補うために若年層が長時間労働を強いられる可能性があります。これにより、若年層の生活の質や健康が損なわれるリスクが高まります。
これは既に起こっている問題。所得の4割近くが税金と社会保障費用負担に巻き上げられるような状況であり、労働意欲の低下が懸念されます。もうこれまでのモデルでは限界が見えており、社会構造自体をドラスティックに変革し制度を抜本的に見直すか、労働人口を確保し納税者を増やすか、の2者択一しか答えはありません。現状維持では制度破綻以外に結果は望めません。
5. 多様な働き方の普及
高齢化が進むことで、多様な働き方が普及することが期待されます。例えば、フリーランスやパートタイム、リモートワークなど、柔軟な働き方が増えることで、労働市場における多様性が高まります。これにより、個々のライフスタイルに合わせた働き方が選択できるようになり、労働市場の活性化が図られるでしょう。
しかしホワイトカラーは上記の変革は可能ですが、ブルーカラーはそうはいきません。しかも既に人材不足が深刻化しているのは、ブルーカラー、現業職なのです。
6. 地域経済への影響
高齢化が進むことで、地域経済にも影響が及ぶことが予想されます。特に地方では、若年層の流出が進み、高齢者の割合がさらに高まることが懸念されます。これにより、地域経済の活性化が難しくなり、地域間の経済格差が拡大する可能性があります。
若年層だけではなく我が国全体の人口が減少モードに既に突入しています。また「2040問題」に象徴されるように、自治体が破綻する時代は目前です。過疎化だけでなく労働人口を失う自治体は財政破綻へ向かいます。地域の産業を活性化し労働人口を確保するにあたり、若き外国人材は欠かせないピースとなります。
これもロボット等の機材では解決できない問題です。
地方が廃れることは国土の荒廃にも繋がり、安全保障も含め国家を揺るがす大問題へ発展するでしょう。
7. 外国人労働者の受け入れ
労働力不足を補うために、外国人労働者の受け入れを拡大していくしかないでしょう。これにより、労働市場における多様性が高まり、異文化交流が促進されるでしょう。しかし、外国人労働者の受け入れに伴う課題も存在し、言語や文化の違いによるコミュニケーションの問題や、労働条件の整備が求められます。ただこれはあくまで外国人材の方々には、我が国に順応してもらうことが大前提です。現行の在留資格制度はそういう立てつけにはなっています。
また正規に就労系の在留資格を得た外国人労働者は納税者に組み込まれます。これは在留資格の申請時に労働者として厳しく審査される項目となっているからです。
特に人材枯渇に悩む現業職にフォーカスしている「特定技能」では、外国人材をサポートする「登録支援機関」が我が国で働くものに課される「納税の義務」等についてもレクチャーと、その実行のための手続きに関与します。
彼らは単に労働力だけではなく、税収や社会保障費用負担の担い手にもなる存在なのです。
まとめ
日本の人口のうち、50歳以上が50%を超えるという状況は、労働市場に多大な影響を及ぼすことが予想されます。労働力の減少や高齢者の再雇用、若年層の負担増加、技術革新と自動化、多様な働き方の普及、外国人労働者の受け入れ、地域経済への影響など、さまざまな課題と機会が存在します。これらの課題に対処し、持続可能な労働市場を実現するためには、政府や企業、個人が協力して取り組むことが重要です。
そのなかで「特定技能」制度の活用からの若き外国人材の定着は、我が国の最期の切り札と言うべきでしょう。これまでの外国人材への扱いは、2年後には発展解消される、悪名高き「技能実習」制度に代表されるように、「安い労働力の使い捨て」という酷い有様でした。
しかし、今後更に若年層は減少し長期的視野で労働力確保を考えるうえで、若き外国人材を我が国の若年層と同様に捉え、定着と育成、そして将来を担う存在へ昇華させなければ、我が国の経済力は大幅に低下していくことは避けられません。
万一、今から出生率が爆増する政策が実行されても、そこで誕生していく世代が我が国の労働力の中心となるには30年近くは掛かるでしょう。もちろん現在、それは全くないのです。
次回以降で具体的に「特定技能」制度について語っていきたいと思います。