東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県… 「ベッドタウン」と呼ばれる郊外には未だ多くの農地が残されています。しかしこれらを所有する家庭はいずれ「相続」問題に直面します。
相続税は被相続人死亡が確認された日の翌日から起算し10カ月以内に申告&納税が義務付けられています。因みに納税は「現金」が原則です。物納(不動産をそのまま納める等)は認められません。
不動産は流動性が低い(現金化し難い)、と言われていますが、農地はその中で最も売却が困難な土地と言われています。手元に現金や有価証券がないと言って、農地をも売却して現金化したくても、すぐにはできないということです。
そして農地は相続では単なる更地、税額減免要素のない土地と見做されます。路線価が高い地域にある農地はその影響をモロに受けますし、それが広大な面積であれば… 相続税の評価が高い可能性がある反面、売り抜けるのは極めて困難、ということが、不動産の評価が比較的高い「ベッドタウン」農地では極めて高い確率で起こります。
そして相続税申告・納税までの10カ月なんてあっという間に到来します。 遺産分割協議やら相続があれば身内間で様々な調整が発生、当然葬儀等の弔事を執り行うことに忙殺され、細かい相続資産検討などしているような時間はあまりありません。
ですので、3,000㎡以上の農地が相続対象となっているようなケースではとても検討している時間はありません。 そして大半の相続人は現在サラリーマン等、実家の農地とは関わりの薄い生業をされている…そんな家庭に広大な農地の相続が発生すればどうなるか? ましてや何ら事前対策がないのなら…
駅前等の好立地にビルやマンション、立体駐車場等を有し不労所得な不動産経営を主たる収入源とし裕福な暮らしをしていた第2種農家たる被相続人が死亡、3,000㎡以上の農地を今後の収益不動産化を目論んだ「ストック」として所有していたがために、億単位の相続税額が降りかかり…という事例は非常に多いです。
このようなケースは農協や地元の不動産屋に相談すれば、即時好立地の収益不動産の叩き買いに遭います。まして農協が絡めば組合員情報により被相続人資産や経済状況は相続人以上に熟知していますので、正に農協の思う壺。農協は味方ではありません。
結果的に有益な不動産は奪われ、使い物にならない農地だけが手元に残る。それだけでは足らず借金をして相続税を納税、現金が足らず法外なレベルの延滞税を上乗せされ納税に苦しむ… それ以前に遺産分割協議が破談し、血族間で訴訟合戦にまで…その間に延滞税は膨らむ一方…
これは小職が前職の町田市役所にて、農業委員会事務局に係長職にて在籍していた間、300件以上触れてきたベッドタウンにおける農地相続における悲劇の実態です。 農地相続が全部地獄ではありませんが、このような悲劇は比較的簡単に生じるのも事実です。
行政書士事務所VERDE・行政書士山本謙は、農協員会事務局にて遭遇したベッドタウン農地相続のリアルを、現在の実務に生かし最適解を提供できます。 農地相続については、農協や地元不動産屋より前に、行政書士事務所VERDEへご相談ください。